Site Overlay

新版で改訂された箇所について ~おもに、「24のプレリュード 作品53」~

新版では多くの誤植が訂正されたことはもちろんですが、今回の楽譜の編集中、カプースチン自身が楽譜の中にもっと論理的に書き直したい箇所があると主張され、浄書の原稿に校正箇所を含み1000箇所以上の“赤”が入って返ってきました。具体的には、スタッカート付きの4分音符を8分音符にしたり、音符の棒のつけ方を変えたり、アクセント記号を追加したり、スウィングを正しいリズムで表記するなど、誤解を生まないための細かい配慮からくる訂正が多かったと思います。しかし、それらの変更によって耳で聴いてわかるほどの変化はほとんど感じさせません。

24のプレリュードの第11番と第23番では音がいくつか書き変えられました。これらの箇所については楽譜の解説で注釈しておきました。第11番のラストの部分では、右手が音域を1オクターヴ分多く上がっていくOssiaが追加されましたが、この新ヴァージョンでこのエンディングを弾いている本人の映像を池袋ヤマハ(2F)で現在流されているDVDで目撃することができます。今回の改訂ですが、どういう心境の変化でこれらの変更の必要性を感じたのかについては詳しくは分かっていません。

上にスクロール
Translate »