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辻井伸行~最新情報から

このような時節には、アーティストたちもさまざまな動画を配信したりして活動や話題をつなげていくことも大事ですね。

昨日、辻井伸行君本人からも連絡があって、なんとカプースチンの『8つの演奏会用エチュード』から新たなライブ映像(2018年2月サントリーホールでのライブ)がアップされたようです!

以下のサイトです。
https://medicitv.jp/Tsujii/oiftM

この映像ではカプースチンのエチュード第1番『プレリュード』のみが聴けますが、今後さらにいろいろアップしていく予定があるようです。

実は彼はこの2018年初旬からのリサイタルプログラムにカプースチンの『8つの演奏会用エチュード』全曲を入れるという果敢な挑戦を企て、それに私も一枚加わりました。実はこの演奏会のたった1か月ほど前に、彼は私と全曲の譜読みを含むレッスンを始めたのです。そしてその約1か月後の演奏がこれです。驚異と言って良いと思いますが、このエチュード全8曲を日本各地、その後は世界のあちこちでも演奏したのです。このエチュード第1番に関しては、アンコール曲としても世界のさまざまな大都市で演奏し、どこの聴衆からも大絶賛されていたと思います。辻井君にはもともとジャズのような音楽にも親和性があったということでしょう。

彼は、カプースチンの演奏に関してはこのエチュードの第2番『夢』を中学2年生の時にテレビの生放送で弾いたのが初めてで、それ以降はやったことがなかったと思います。だから2年前のこの時が実質的な初めての取り組みだったと思います。

レッスン時のエピソードの一つですが、彼は難曲と言われる第5番や第7番よりも、比較的ゆったりした第4番が一番難しかったと言います。これは私には意外でしたが、確かにこの曲だけがリズム(ビート)がはっきりしないし、長いフレーズの中で3拍子と4拍子が交替する拍子の感覚も捉えにくかったのだろうと思います。あらためてカプースチンの音楽の深さに思い至ったのを思い出します。

この動画のことを知ってたまたま辻井伸行ファンサイトをチェックしたら、新たなニュースも飛び込んできました。

なんと、今月(5月)にアメリカの大手公共放送PBSが辻井伸行のドキュメンタリー番組をアメリカ全土で放送することを決めたようです。音楽家のドキュメンタリー制作で世界的に有名なピーター・ローゼン氏による”Touching the Sound”という2時間の番組で、2013年頃までの彼の足跡を描いた作品です。実は私自身もインタビューで出演していますが、当初日本以外の聴衆を意識して製作されたものです。すべて英語で収録されていて、おそらく日本ではまだテレビ等で公開されたことはないかもしれません。もったいないことだと思います。

奇跡のような素晴らしい内容を持つこのドキュメンタリー作品が、5月中にアメリカ各地で放送されるということを知ってとても嬉しく思いました。

大勢が集まってコンサートをすることができない時期には、アーティストは腕を磨きつつも、過去の良質なコンテンツを公開したり、未公開映像を編集したり、あるいは新しい企画を立てて演奏動画を作成していくことも良いことだと思います。今後はさらなる新しい発想で動画を録って公開していく人たちも多く出てくるかもしれません。常に頭を使って、音楽家は新しい活動の場を作っていく準備を進めていくべきかもしれませんね。

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