8月25日発売予定の「ピアノ作品集1・2」は昨年の11月に出版された2冊に引き続いての出版ですが、今回の楽譜にもいくつかの特徴があります。
まず第一に、カプースチン本人がこの全音版の編集に際して楽曲に手を加えたことで、作曲家の現時点での自分の作品に対する正しい意図が反映されていることです。それに今回も、作曲家自身の運指・コメントが加わります。楽曲には変更部分が多かったため、巻末に校訂報告を入れたのも今回の特色の一つです。自筆譜、又は初版譜の間違いの中で、単純なミスプリなど明らかな誤植等については訂正した上で校訂報告では省いたものもあります。しかし、A-RAMなどの他の出版社がこれらの部分についても作曲家に問い合わせずに誤植をそのままにして出版している例があります。
カプースチンの各曲解説には、前回の2冊の時よりもユーモアが感じられます。全文を日本語・英語に訳しました。また、今回の楽譜では編者による日本語解説も全文が英訳されています。その後の工程は予定通りに進んでいるということで、お店によっては早いところでは8月22日~23日頃には店頭に並ぶかと思います。これを機会に、多くのカプースチン・ファンが増えてくださることを願っています。