Site Overlay

音楽と勉強の関係(1)

音楽の勉強って、いったい何が必要なのか。
音楽の道に進みたいと思っている人は、具体的に何をどのように勉強したら良いか知りたいことでしょう。まあ音楽の場合は、勉強というよりも実際に楽器を習ったり歌を習ったりなど、まずは何かを習い始めるというところから始まるのが普通かもしれません。そして熟練するまで年月を重ねて腕を上げていき、音大に入ったり、あるいは自分で新たな道を切り開いていったりすることになると思います。

音大生などはそうですが、特に演奏家の道に進みたいと思う人は勤勉に練習を続けることが第一なので、それ以外の勉強をする習慣はあまりない傾向にあるように思います。勉強の中身よりも、実技のほうが重視される環境にいるので、だんだんそうなっていくのだと思います。でも、大学には音楽に関する専門的な教科と一般教養の教科とがそれぞれ充実しています。

実技に関しては、すごいと言えるような音大生や音大出身者、あるいはそれ以外の出身の若者も現在ではゴロゴロいてびっくりするくらいですが、でもそれだけで音楽家として食べていくのは本当に難しい世の中になりました。ひょっとしたら昔から音楽家なんてずっとそうなのかもしれませんが、今は音楽をやる人の人口もますます増えて、活躍の場はやはりごく一部の人にしか与えられないという状況はあまり変わらない気がします。だから、音楽の道を目指す人には、なるべく早いうちに実技以外にも自分の良さを何か見つけて、社会に役に立つレベルまで何かを掘り下げていく必要があると思います。

もちろん専門的な部分だけでも、深いところまで極めれば価値が出てきます。
例えば、ある作曲家について日本で一番詳しいというレベルまで勉強したとか、一昔前であれば、一人の作曲家について研究を進めて権威になればそれなりの価値がありました。演奏家でも「モーツァルト弾き」とか、そういう言葉がありました。今では、ピアニストであれば基本的に何でも弾けなくてはいけないという感じになっていると思います。

弾けるというだけの能力では足りず、いろんな情報も多いので、一人で網羅できる範囲をもう少し広げなければ仕事にはならないと思ったほうが良いでしょう。だから学生のうちに、自分の興味のあるところをどんどん突き詰めてくことが大事です。知りたいことは徹底的に調べて勉強することです。知識的にも情報的にも空っぽで、楽器だけが上手いというのでは仕事にならないと思います。

現在はモノが溢れているので、例えば自分の勉強している曲をCDなどの名演を聴き比べて勉強すべきところを、簡単にYouTubeなどで検索して、出てきたものをいくつか聴くだけで終わってしまう学生もいます。そういう人は良いものをたくさん聴き逃していると思います。これだけモノに恵まれていながら、一番重要なものにアクセスしていないという状況。もう一歩の努力ができないという感じで、浅いところで満足してしまう人もいて、これでは大成できないという気がします。

上にスクロール
Translate »