10/6夜のBSフジ「辻井伸行×チャイコフスキー」は録画して観ることができました。演奏会をそのまま流すのかと思っていたら、彼のロシア演奏紀行をまとめたもので、サンクトペテルブルクの映像は終始美しかったし、普段なかなか行けない場所を辻井君が訪ねた貴重な映像も多かったのですごいなと思いました。こういうのを見るとロシア、特にサンクトペテルブルクへ行ってみたいと思った人はたくさんいたのではないでしょうか。
番組中、ロシアの民族音楽を聴かせるレストランでの映像がありました。辻井君がロシアの民族衣装を着て、歌を歌う人と一緒にバラライカを弾いているシーンがあって、即興的にやっていると思われたその演奏を聴いて「こりゃスゴい!」とビックリしたのですが、実は後ろで二人羽織になってプロの人の手が弾いていたというのには参りました。完全に騙されてしまいました。
しかし最後にクリンのチャイコフスキーの家で辻井君が弾いた演奏、これはチャイコフスキーに捧げた即興演奏ということだったのですが、これはとても良かったです。彼はロシアで聴いたばかりの「カチューシャ」や、チャイコフスキーの「白鳥の湖」のメロディーの一部を巧みに取り入れて即興を展開していました。こういう場での要求に十分満足に応えられるというところは彼の特異な点です。こういうところは、ディレクターさんにとっては辻井君ならではの番組を制作できる醍醐味ですね。
この番組中で、ムソルグスキーの「展覧会の絵」の元となった絵のオリジナルを所有している博物館を訪ねたり、なんとチャイコフスキーの一つしか存在しない(?)というエジソンの蓄音機による肉声の録音を聴かせるなど、最近はドキュメンタリータッチの番組でもいろんな点で高い付加価値をつけようとしてくれるのは嬉しいことです。
さて、先日お知らせした辻井伸行が出演するNHKの「ゆうどきネットワーク」は10月11日(木)NHK総合16:50~放送予定ということです。こちらもお楽しみに!