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カプースチン再考

本当は「カプースチン最高!」と書きたかったのですが、現時点ではまだマニアックな響きになってしまうだろうという懸念があるのでやめておきます。
カプースチンの音楽を発見してすでに15年ほど経ちましたが、最近まだまだ定着している作曲家とは言いがたいな、とつくづく感じることが多いこの頃です。

音大の現状でも、クラシック作曲家とはまだ認められていないような雰囲気があるのではないでしょうか。芸大生などでもカプースチンを演奏した人はけっこういると聞きますが、例えば試験で弾いてもまだ試験官の先生方から軽く見られるような向きもあるかもしれません。それは我が東京音大でもまだあまり変わらない気がします。私から見て、決して贔屓しているわけではありませんが、試験でも明らかにレベルの高い演奏をしていると思われるカプースチン弾きが何度か葬り去られるような点数をつけられているのを数々見てきました。そしてその現状はまだそう変わっていないように見えます。本当に価値があると思っても、新しいものを世間に広めるのは本当に大変なことなのです。
最近ロシア帰りの学生に聞いたのですが、ロシアでもほとんど演奏されていないようですね。特に、モスクワ音楽院などアカデミックな場ではカプースチンを弾く人は驚くほど少ない(驚くのは私だけかもしれないが)、というか、ほとんどいないようで、日本のほうがまだまだオープンな感覚を持っていると言えるかもしれません。

そんなわけで、今後もまだカプースチンにとって不利な状況は続きそうですが、良い音楽を広める手を休めるわけにはいきません。頑張ってまいりたいと思います。

ところで、カプースチンを演奏したいというチェリスト(プロ)の方、もしいたらぜひ私にアクセスください! いろんなところで演奏する機会が今後あるのですが、チェリストが圧倒的に足りません。これまでカプースチンのヴァイオリン・ソナタを私と演奏してくれた人は3~4人ほどいましたが、チェロの人(+カプースチンにハマっている人)とはなかなか縁がないのです。チェロは、ソナタが2曲とも素晴らしいですし(ソナタは7月のコンサートでその一部は弾きます!)、小品や弦楽による作品やフルートが加わる作品もあります。けっこう需要があるのです。これまでいろんなチェリストに声をかけているのですが(私が直接会った場合のみ)、なかなか皆さん、忙しいスケジュールを縫ってカプースチンを喜んで弾いてくれる人がそうそういるわけではなく…。

良い出会いを待っています[:にこっ:]

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