昨日は以前から予定していた角野隼斗さんのピアノのリサイタルを聴きに行きました。

サントリーホールの入口右側にありました。カッコいいですね。
今回の全国ツアーのプログラムにはカプースチンの『8つの演奏会用エチュード』全曲が入っているということもあるし、また角野君から私へ直々のコールも頂いていたので楽しみに伺わせていただきました。
プログラムの順番や全体の流れの作り方、またステージにはかなりいろんな仕掛けが用意されていました。さすがのアイデアというか、曲目はバロックと自作品、それにカプースチンが中心だったとは思いますが、彼自身も言っているように「クラシックのジャズの共通点を探す旅」という意味合いも彼のコンサートから確かに感じました。
昨日の演奏会は、私の感想としては意外に思われるかもしれませんが、プログラムにグルダやカプースチンを入れたりしている割にはクラシック風なテイストを多く感じたコンサートでした。もちろん角野さんならではの才能とセンスでバッハに自分流の工夫を凝らしたり、コンサートグランドに対置してアップライトを設置し、それを用いながら多くの意外性を演出したりして聴衆を魅了していました。アップライトでは後半ホンキートンク調に調律を施された状態でカプースチンのエチュード7番を弾くなど、芸の細かいパフォーマンスがたくさんありました。
もちろん彼はジャズにも通じているし、作曲のセンスも抜群なのですが、私には彼の中にある種のクラシック演奏家のたたずまいを感じました。きっと現代のクラシックピアニストとはこうあるべきではないのかな、とも思います。もちろん一般的な意味では、彼はオーソドックスというよりはかなり特殊な才能を持ったピアニストでしょう。ただ、今の時代はオリジナリティがすごく大事。今後はクラシックピアニストという言葉もおかしな表現になっていく可能性もあるし、ピアニストのあり方もまだまだ変わっていく風潮があると思います。その意味で彼はこれからも多くの人たちの注目を浴びていくのではいくのではないでしょうか。

アンコール時まで聴衆は熱狂していました。動画撮りOKが出たので全員でスマホを。(笑)

終演後に少し話ができて嬉しかったですが、角野さんとは未来の音楽についてもっと話してみたいです! コンサートの大盛況、本当におめでとうございます!