ここのところ超過労働的なスケジュールが続いていてバテバテです。先週の辻井伸行君のオルフェウス室内管弦楽団とのサントリーホールの公演には誘われていたのに、結局私は仕事多すぎて行けませんでした。今回は私も思い入れの強かったベートーヴェンの協奏曲3番を新レパートリーに加えたばかりのシリーズだったので、ぜひ聴きたかったのですが…。
サントリーでのコンサートは大成功だったようで嬉しく思っています。
たまたま先週のある朝、ゲルギエフの半生について書かれた本を読みながら音大に出勤すると、そこに来月号(7月号)の「ぶらあぼ」が置いてあって、見ると表紙がゲルギエフだったので手に取りました(笑)。そして1ページ目を開くと、そこは見開きで辻井伸行君の10月のコンチェルトの演奏会の大きな宣伝ページでした。二人が今月は日本の音楽界の中心で活躍しているような錯覚さえ覚えました。

ゲルギエフのほうは10月に日本でマリインスキー・オペラによるオペラ公演。インタビューもあったので読みました。辻井君は10月末~11月のヨーロッパ室内管との国内コンサート・ツアー『極上のモーツァルト』シリーズの告知。彼はその前の10月中にはアシュケナージとのオーストラリアのツアーもあるので、今回こそはそれをめがけてついて行きたいと思ったりもしていますが…。
ちなみに辻井君ですが、今週はそのオルフェウス室内管とアメリカ公演中です。彼はこのようにとても忙しそうに活躍していますが、実は年間スケジュール的にはオフの時期もけっこうあって、一年をとてもうまく過ごしているように思います。私も見習いたいです。
この4月にサンクト・ペテルブルクへ行った時に、ゲルギエフの素顔に触れることができたのは素晴らしいことでした。それまで漠然と抱いていた印象とは全然違って、彼は物腰が柔らかく思いやりがあって優しい人です。やはり、こういう人が多くの物事を動かすことができるのだなと合点がいきました。食事を御一緒させていただいたのですが、普通にウォッカを飲みながら食事で一日の疲れを取り、食事中は何十局という放送が観れるテレビの国際ニュースをチェックしながら歓談…という感じで時を過ごしました。彼は刻々と変わる世界の情勢にとても興味を持っているということがわかりました。今年は日本へ二回来ることになっていると言っていましたが、まず夏はオペラ。マリインスキー劇場が世界的に有名になったことはもとより、ロシアのそれまでその真価が伝わりきれていなかった作曲家や作品、またロシア・オペラをこれだけ世界に認識させることに成功したゲルギエフの力は本当にすごいと思います。