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Frank Dupreeと会う!


今回のドイツ旅行中に実現したかったことの一つは、今カプースチンを精力的に弾いているピアニスト、フランク・デュプレーと会うことでした。彼は現在あちこちを飛び回っていて、実は数日前にスウェーデンのコンサートから帰ってきたその足でフランクフルトで会いましょう、と言ってくれていたのですが、メンバーに体調不良が出たということでスケジュールが大幅に変わって翌週の録音のための一回きりのリハーサルがその日に入ってしまって会えなかったのです。そしてその後にもう一度スケジュールを調整してくれて、結局私がカールスルーエまで会いに行くということで昨日ようやく二人の時間を合わせることができました。

彼の母校カールスルーエ音楽大学の近くのイタリアンで昼食


私がカプースチンをこの20年以上やってきた歴史の中で、彼は一番精力的にカプースチンの作品を演奏・録音し始めているピアニストだと認識しています。とにかく、彼はカプースチンの作品の中でピアノとオーケストラ(あるいはバンドや他の楽器)で編成される作品の全曲録音を実行中で、すでにカプースチンのCDを3枚出しています。来年早々にコンチェルト第2番などを含むCDがリリース予定で、その先にコンチェルト第3番や第6番もすでにスケジューリングされているようです。

彼はとにかく人と一緒に演奏をするのが好きとのことで、カプースチン作品もそのようなものだけを意図的に取り上げているようですね。とにかく楽しいのが好き。新しいことをやりたい。たくさんの人で演奏するのが好き。だからコンチェルトが一番面白い、ということです。彼はカプースチンのソロ曲を弾くことには現時点でとりたてて興味がないようでした。

ただ、先日彼が演奏していたガーシュインのコンチェルトなどを聴いてもわかるし、本人ももちろん言っていましたが、やはり彼も即興演奏ができるようで、それは習ったわけではないけど意図的に自分で勉強してきたということです。ドラムとピアノを5歳頃から同時に勉強し始め、やがてはピアノに専念しようと思ってドラムを少し脇に置くと同時に指揮の勉強も始めたということです。大学ではピアノと指揮の両方を正式に学んでいるので、現在すでに指揮者としての演奏活動も多いようですね。なかなか多彩な人だと思いました。

会話も本当に楽しく、私は彼と初めて会ったという気がまったくしませんでした。とにかくあっという間の時間、喋りまくりました。意外に彼はカプースチンのことでは知らないこともあって私にいろいろ訊いてきましたが、それらすべてのやり取りが自然体で、お互いの刺激になったと思います。いつか日本に呼んでカプースチンのイベントを一緒にやれると良いなと思います。きっと彼は来てくれるでしょう。

私があげたカプースチンのクリアファイルも喜んでいました(笑)

彼のカールスルーエ音楽大学が近かったので、「今日ちょうど先生が来るかもしれない」とか言ってメールで連絡が取れたようで、その先生のレッスン室に私も一緒に案内されて紹介してもらいました。彼が5歳から大学に至るまで長くついていたSontraud Speidel先生はもうすぐ80歳になるという。彼女は私をも歓待してくれて楽しい会話を提供してくれました。ユーモアのセンスが素晴らしい。知的でフレンドリーな感じの先生でしたが、現在も演奏をなさっているピアニストだということです。彼は彼女のことをとても尊敬しているようで、良い師弟関係を見せてもらった気がしました。

とにかく私は日本への帰路につく前にデュプレーと無事に会うことができて本当に良かったです。興味深い話がたくさんあったので、カプースチンの話題に関わらず、また追ってブログにも書いていきたいと思っています。

カールスルーエ音楽大学


たまたまカールスルーエで会うことができたので、彼の母校や先生にも会うことができました。私はここへ来たことがなかったのでこれも収穫の一つでした。

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