Site Overlay

Frank Dupreeと会う!(2)


昨日無事に帰国しました。

日本からヨーロッパまでは今はフライトが長くなる傾向があって、また特に冬は時差が8時間あるのでけっこう疲れはします。でもなんとか健康のまま帰国できて良かったです。今回は結果としてデュプレーと会えたのが本当に大きな収穫でした。とにかく彼があまりにも忙しすぎるので、ギリギリまでスケジュールがどうなるかは本当にわからなかったのですが。

でもカールスルーエまで私が行ったことで、彼の学生時代からの行きつけのイタリアンに案内してくれて昼食を取ることができたのも嬉しかったです。彼は私を駅まで迎えに来てくれて、そこから彼が運転する車の隣に座ってお店に着くまでずっと喋っていたのですが、その中でカプースチンの話題で予期せぬ展開がありました。

店に着くなり悔しがっているデュプレ


イタリアンのお店に入って、注文を取ることも忘れるほど話し続けていた二人でしたが、店に着くなりなぜ彼が悔しがっているかというと、実は彼はこの数年来、カプースチンのピアノ協奏曲(コンチェルト)を中心にカプースチンのピアノとオーケストラのための曲(打楽器や他の弦楽器が加わるものも含む)の全作品を完結する企画を進行中で、来年いっぱいでコンチェルトの第3番、第6番も録音して遂に完成、そしてCD数枚でBoxセットで販売する予定で動いていたようです。
ところが私と話していて、楽譜はもう存在していないと思っていた第1番のコンチェルトがあることがわかってショックを受けたのです。第1番なしで残り5曲のコンチェルト作品を弾いてすべてのピアノ入りオーケストラ作品をコンプリートできると思っていた彼は、「このプロジェクト、どうしようか…!!!???」と、もう現在進行中のスケジュールをどうするか悩んでしまっていました。実は第1番に関しては作品番号が変わって改訂版として作品が存在するのですが、それを彼は知らなかったようで、ショット社からもその情報は得られなかったということでした。いや実はこの曲は存在するのです。しかもまだ誰にも演奏されていない状態で…。

きっと私との会話があったので、彼は第1番も取り上げることになるかもしれません。ただ、私もこのコンチェルトの世界初演を近々するつもりでいるので、さてどちらが先に演奏するか、というような話になるかもしれません。貴重な情報を彼に教えてしまったかもしれません(笑)。ちなみに私自身はコンチェルト第1番の改訂版が出来上がった時にカプースチン本人から手渡しでスコアを頂いています。

大学にお邪魔して彼の恩師のSpeidel先生に出会えたのは本当に偶然のことでした。彼女のレッスン室でしばらく楽しく会話をして、彼女の視点からデュプレーを観ることができた、というか二人の会話を聞けたのも良かったです。今ではそう頻繁に会えることもないはずなのに、たまたま大学の近くまで来たということで、この日はサプライズで私を伴っての訪問。(ただ私はかなり以前にウィーンでSpeidel先生にお会いした可能性もあることを思い出しました。)
また、デュプレーは大学にももうしょっちゅう来ているわけではないはずなのに、キャンパス内に知り合いの学生たちがたくさんいて、外を歩きながらも皆と会話をしていました。もう地元でもかなりの有名人なのでしょうね。

彼はまだ日本には来たことがないのでぜひ行きたい!と言っていました。おそらく近い将来それは実現するでしょう。現在の彼の活躍を見れば、カプースチンとは関係なく来る可能性もあるかもしれませんが、できれば私はカプースチン絡みで彼を呼びたいなと思います。彼は人と一緒に演奏をすることが好きなので彼のトリオで来日してもらうのも良いかもしれないし、もし一人でも、こちらで楽しい共演企画を作ったり、新奇で面白いイベントを作ることができれば絶対来てくれると思います。日本でもカプースチンのサークルをますます大きくしていきたいなと思っているところです。皆さんの良いアイデアもぜひお待ちしています!

カールスルーエにて(動物園内(笑))

上にスクロール
Translate »