最大限にエネルギーを要するカプースチンのレコーディングを控えているというのに、1週間ほど前に喉の調子を崩してそのまま風邪に突入。そして毎日咳が止まらず夜も寝れずの1週間を過ごして迎えた2日間のCDレコーディング。これまでにない辛い試練となりましたが、なんとか無事に(?)クリアしました。

カプースチンの全曲レコーディングを開始してもう3回目となるので、今や弾き慣れたキラリふじみのホールですが、ピアノ(スタインウェイ)の音がもう極上でその点は本当に嬉しくなります。
今回は、カプースチンのソロ曲ではおそらくまだ誰も知らない作品ばかりを録りました。もうお決まりのことですが、これらも非常に難曲で、また音楽的にも解釈の難しい曲で少々難儀はしました。
ただ、今回は最後に六重奏曲を録るという楽しい企画が待っていたので、これで少し元気を取戻しました。このカプースチンの『イントラーダとフィナーレ 作品79』もおそらくCD世界初録音になると思います。ちなみに、この第3弾ではカプースチンの知られざる楽曲に焦点を当てたものにしたいと思っていたので、これまでカプースチンに詳しいと思っていた方々にもビックリする内容になると思います。今回の収録予定曲は、おそらく世界初録音率が100%になる見込みです。
昨日演奏した『六重奏曲』は木管2本、弦楽器2本、ドラムスとピアノという代わった編成ですが、これがまたカプースチンらしい素晴らしい曲なのです。録音のセッティングもさすがはオクタヴィアさんで、楽器配置やマイクの設置などきちんと考えられていました。素人の私には、まさかドラムの一つ一つにマイクを1本ずつ使用するとは思ってもいませんでした。
昨日は昨年のカプースチン祭りで共演してくださったメンバー、大塚茜さん、吉川直貴さん、菊池武文さん、佐藤洋嗣さん、重本遼大郎さんに集まっていただき、最高の演奏をしてくださいました。特に一番最後に通した演奏はライブ配信したいくらいでした!(すれば良かった)


まずはCD録音がまた無事に一つクリアできてホッとしているところです。
ひどい体調ではあったので、一日寝て朝起きて体が一体どうなっていることかと思いましたが、なんとか生きて生還できたという感じです。今日からまた新たなレパートリーに取り掛からなくてはいけません…。