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カプースチン氏の近況と近年の作品

現在、アメリカのあるピアノトリオの依頼により、クラシックスタイルのピアノトリオを書く予定があるそうです。彼の作品群に素晴らしいピアノ三重奏曲が新たに加わる可能性あり!の朗報です。(夏はダーチャで過ごし、しっかり1ヶ月の間は休息するというスタイルは変えないようですが。)
ところで、この2年ほどの間に有名なメロディーによるピアノ・ソロのパラフレーズが2曲増えました。一つはご存知の通りアリ・バローゾの「ブラジルの水彩画」によるパラフレーズOp.118、もう一つはケニー・ドーハムの「ブルー・ボサ」によるパラフレーズOp.123。どちらも、あの12番のピアノソナタを献呈された高沖氏の動機づけによるもの。カプースチンの手にかかると、聴きなれたメロディーが息を吹き返し、何度聴いても飽きることのないほぼ完成されたパラフレーズが精緻な書法によって出来上がるのです。このような誰もが喜ぶポピュラーな旋律を用いた新種のピアノ作品を生み出すのに一役買っている高沖氏の功績は、意外に大きなものかもしれません。

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