このたび、続いてヤマハの「1冊でわかるポケット教養シリーズ」より私の著書『限界を超えるピアノ演奏法』が発刊されます。旧著『ピアニストは、進化する』が文庫化されることが決まって、この出版に際して加筆してリニューアルしたものになります。
発刊は4月20日頃の予定です。

この本には、私の演奏家としての、またピアノ指導者としての経験やアイデアを余すところなく書きました。特に、辻井伸行君がヴァン・クライバーン・コンクールで優勝したのをきっかけに、彼への12年間の指導を振り返って自分自身がさまざまに学んだこと、また彼と歩んだ日々のエピソードやコンサートにまつわる逸話、その他この本にしか書いていない話がたくさんあります。
また、教えるためにはずいぶん自分が勉強をしなければいけなかったことや、並行して演奏活動を続けていく上での悪戦苦闘や、それをどう克服したか、独自のアイデアもたくさん入っています。あらためて読み返してみると、私のピアノ指導や演奏に向ける基本的なスタンスや考え方がほとんど入っているのではないかと思いました。
今後のピアノ教育や自身の音楽人生を考える上で、皆さんがそれぞれ個性を生かした新しい時代にふさわしい創造をしていってほしいという願いを込めました。
ぜひ一度は目を通したことのある方にもあらためて読んでいただければ幸いです。