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紀平凱成コンサート@札幌コンサートホールkitara


ここ連日、演奏会のレポートが続いておりますが、昨日は札幌コンサートホールkitara大ホールで紀平凱成(きひら かいる)君のコンサートを聴きました。実は久しぶりにこのホールに来たのですが、客席で聴いてあらためて本当に良いホールだと思いました。

朝から念入りなリハーサル。
限られた時間ですべての曲を調整しなければなりませんが、彼はすでに大きなコンサートホールでの演奏経験もかなり積んでいます。今回は後半にサラ・オレインさんとの共演もあるため、彼女の歌とヴァイオリンとの合わせの時間もありましたが、今回は私もそのすべてに立ち会わせていただきました。

お昼過ぎの公演という珍しい時間帯のコンサートでしたが、お客さんは開場時間前からたくさん集まっていました。私たちは2階席に着席。


全2時間のプログラム内容は多彩で、これを見ると彼はもう自身の独自の確固とした世界を築いていると感じます。音楽内容も素晴らしいものでした。あらためて手元の演奏曲リストを見ると、純粋なクラシック曲はカプースチンの2曲とレクオーナの『マラゲーニャ』くらいで、他はほぼ自作品、あるいは自分でアレンジされたものです。かなり珍しいピアニストではありますよね。

サラ・オレインさんとの共演はチック・コリアの『スペイン』を含む3曲を、これもすべて自分でピアノ伴奏をアレンジしたもので演奏。彼のセンスがサラさんの声とヴァイオリンによってさらに光っていたように感じました。『スペイン』は彼のピアノソロのバージョン自体がものすごく風変りで聴く価値のあるものなのですが、そのバージョンの左手超絶技巧の部分はそのまま伴奏バージョンでも同様に使っていたのが印象的でした。テンポも速いですし、そもそも「そんなことが可能なのか?」と思うアイデアだとも思うのですが、それに呼応したサラさんの歌とヴァイオリンのコラボも見事なものでした。


アンコールにが再びサラさんが登場してくれたのにもお客さんは沸きましたが、その後彼はさらに2曲のピアノソロのアンコールを演奏。ここでカプースチンの『24の前奏曲 op.53』の難易度最高の第1番を弾くという発想にも驚きますが、その曲に先日テレビでも弾いたOfficial髭男dismの『Subtitle』の自作アレンジをくっつけてしまうというのももう誰にも想像できない(笑)。彼はもう自由自在の境地です。今回のコンサートであらためて紀平凱成のブランドが確かに築かれたと思いました。


今回は来れて本当に良かったと思いました。お客様たちもきっと満足されたことでしょう。アンコール時にはスタンディングもありました。彼に一番影響を与えたという作曲家カプースチンの存在もしっかりアピールしていましたし、アレンジ能力にも進化が見られました。またkitaraでの来年の公演日も決まったようですし、これからも目が離せませんね。

ということで、今回は少し長めのレポートになりましたが紀平凱成君を紹介しました。
さて3日後にはこの同じホールで辻井伸行リサイタルがあります。先日の角野隼斗さんのリサイタルなども含め、この一連の全国カプースチンお披露目シリーズ(私が勝手に名付けた…すみません)もいよいよ終盤戦ですね。

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