先日はこの数年間すっかりご無沙汰していた音楽之友社へ久しぶりに行ってきました。
月刊誌「ムジカノーヴァ」にハノン、チェルニーなどに関する楽しい連載をしておられる奈良井巳城(ならいみき)先生との対談ということで、話題はなんとハノンについてなど熱く語り合う(!)というおそらく珍しい企画だったのですが、とても充実した時間でたくさんの収穫がありました。聞き手は音楽誌の演奏会評などでこれまで私もお世話になったことがある道下京子さんでした。

とても楽しいひと時で、というか、もう笑いっぱなしの対談という感じで、ぜひ続きの企画をお願いします!くらいの勢いだったのですが、あらためてピアノの練習法に関して考えを深める機会となりました。
よくハノンとチェルニーはピアノの練習曲としては同列に語られることも多いのですが、ハノンに関しては私は自分の本やいろんな機会に語ってきたとおり、自分自身の大学時代によく練習して効果的な練習法を身につけて飛躍的にピアノが上達した経験があるので、他の練習曲とは一線を画する大きな恩恵を受けています。もちろん今では、毎日60曲全曲を通して弾くなどということはもうしませんが、ハノン60曲のそれぞれの練習曲の特徴と効果をもう熟知しているので、自分なりにその日の気分でカスタマイズした20~25分ほどのプログラムを弾いたりしています。それによって、効率的に筋力や持久力、手や指の働きを取り戻すことができます。例えば練習を少し休む期間があったとしても、自分の手が今どんな状態になっているか、どうすればすぐに良い状態に戻るかを的確に知ることができるバロメーターのような役割をハノンは果たしてくれます。
実はこの日、奈良井先生とは初対面だったのですが、ハノンの話題でこれほど意気投合するとは思いませんでした(笑)。今回の取材記事はまだ少し先の号の音楽誌の紙上に出ることと思いますが、また詳しいことは追ってお知らせしたいと思います!