その後、いくらか常人の生活を送りながらエネルギーを蓄えつつ仕事をしております(^_^)
前回の日記でカプースチンの現在の作品番号は公表されているものだけで126まできていると書きましたが、実際はその後も作曲は進んでいて、なんと現在131番まで完成してしまっているようです。きっと今頃、ピアノ・ソナタ第16番Op.131の清書が終わったあたりではないかと思います。それにしても、「ブルーボッサ・パラフレーズ」Op.123以降の作品はすべて献呈者(委嘱も多い)が決まっていて、日本のMr.T氏以外はほとんどがピアニストなどの演奏家が献呈の対象者です。それにしても、あのリュドミル・アンゲロフ(スペインではなく、ブルガリア人と判明)、カプースチンにソナタ16番をお願いするとはなかなか抜け目のない…。(Mr.T氏の沈黙の行動も見逃せませんが…。)
しかし、作曲の筆の早さには本当にびっくりさせられます。現代という時代は、音楽の世界でも情報は早いし、音源化や楽譜化もとても早いと言えますが、このカプースチンの創造のエネルギーにはちょっとついていけないほどです。今後もまだ新しい作品が増えていくのでしょうね。そうすると、カプースチン作品の全体図がまだどんどん変わっていく可能性があります。
考えてみるに、「情報の多さ」と「情報の手に入りやすさ」いう点で、現代ほど進んだ時代はなかったのではないかと思います。今は、過去に忘れられていた作曲家たちが発掘されたり、また知られていなかった新たな事実がいろいろとわかったりする時代です。これは古くは19世紀の作曲家から現代に至るまでの音楽家について言えますが、時代はさらに遡っていきそうです。すごい早さで情報は増えていきますし、今までの知識は変化を余儀なくさせられます。この中から音楽家は何を選び取っていくのか、また聴衆もどのように音楽に接していくのか、とても複雑で珍しい時代になったなと感じます。